【レポート】Blockchain Unchained: The Evolution in Tokyo

本記事は、2018/5/9に、SuperDeluxe(東京)にて行われた『Blockchain Unchained: The Evolution』のイベントレポートです。

クリプト・ウェルス・マネージメント・プラットフォームの提供を目指すSwissborgの主催で行われたこのイベントには、ブロックチェーン技術を用いたプロジェクトを行う団体のほか、IOTAやCARDANOの関係者がパネリストとして参加。

Blockchain Mediaでは、登壇された3社の発表と、パネリストによるライブディスカッションの内容についてまとめました。

Blockchain Industries Inc.

Blockchain Industries社は、デジタル金融商品や資産運用、ICOコンサルティングなど、ブロックチェーンを用いたデジタル資産に関する総合的な企業です。

1995年に設立、ニューヨーク証券取引所に上場しており、現在はニューヨーク、サンタモニカ、プエルトリコ、そして東京に展開しています。

イベントでは、CEOのPatrick Moynihan氏が登壇し、業界の現状や展望について語りました。

大きな流れはアジアから

Patrick氏は、「東京は暗号通貨市場の中心地」であり、その要因として、暗号通貨などのデジタル資産が、「ゲーム感覚でスタートした」ことを挙げました。

それにより、アジア、特に日本の若い世代への浸透が進んだのではないかと言います。

同様に、暗号通貨は韓国でも若年層を中心に大きな広がりを見せています。

いまだ現金が主体の日本ですが、様々な文化やイデオロギーが混在する東京では、2020年のオリンピックに向け、「お金を新しくしていこう」という流れが起こってきているとし、それに伴い、同社のような企業をはじめ、デジタル金融商品を取り扱う企業には、大きな説明責任と正しい知識の啓蒙活動を行う必要があると語りました。

JUPITER PROJECT

急増するサイバー攻撃に対して、セキュリティシステムの構築を目指すJUPITER PROJECTでは、外部セキュリティと内部漏洩の2つの視点から企業を守るためのソリューションが発表されました。

今日起きている情報漏洩の原因は、外部からのサイバー攻撃によるものだけではなく、人的要因である内部漏洩がほとんどであるという理由から、人工知能(AI)による管理を提案しています。

プロジェクトで提案されている漏洩防止の対策は、次の3つです。

1.AIを活用したサイバー攻撃への対策

サイバー攻撃を受けた際に、AIを用いた攻撃パターンの解析により、強固な防御システムを構築。

2.内部情報漏洩を事前に防ぐ

セキュリティカメラから得られた人の挙動・ウェブサイトのログなどをAIによって分析し、内部漏洩へ繋がる不審な行動を事前に発見。

3.匿名性の高い独自のブロックチェーンの開発

独自のブロックチェーンである「JUPITER CHAIN」は非常に匿名性が高く、暗号化された情報はスマートコントラクトによって制限されるため、仮に情報が持ち出されてしまったとしても、その情報は無価値化される。

JUPITER PROJECTのICOでは、上記3点の技術を開発、企業への提供を行い、企業はその使用料をJUPITER COINによって支払うことでコインの価値を上げていく仕組みを構築しています。

目標とするサイバー空間でのセキュリティを、強固で安全性のあるものへと構築していくことができれば、今後様々な分野での活用が予想されます。

Swissborg

Swissborg Japan の Alexander Fazel氏は、ブロックチェーン技術やデジタル資産の将来性について語りました。

スタートして10年のAirbnbが、Marriott Internationalの業績を超えたことや、AmazonがWalmartの時価総額を上回ったことを例にとり、今後のビジネスにおける重要なポイントとして、

Digitalization(デジタル化)

Platformalization(プラットフォーム化)

Smart Intelligence(スマートインテリジェンス;人工知能など)

の3つを挙げました。

Swissborgの提案する金融プラットフォームも、現代の複雑な金融業界をよりシンプルに、誰もがアクセス可能なものにしようとしている点で、まさにこの3つを取り入れたモデルと言えるでしょう。

パネリストによるライブディスカッション

ブロックチェーン業界の第一人者たちによって、2つの議題についてディスカッションが行われました。

スケーラビリティについて

ビットコインのそれがよく知られているように、今後、ブロックチェーン技術が一般化していく中で避けられないのが、スケーラビリティについての問題です。

この問題については、取引をいかに迅速に、効率的に行うかが重要となりますが、それだけでなく、ブロックチェーンの本質である分散化や、セキュリティについての課題も同時に解決していく必要があり、これは非常に難しいとの意見も。

例えば、VISAが現在処理している取引量を、ブロックチェーン上で行おうとすると、今よりもさらに多くの機能拡張が必要となるそうです。

もちろん、すべての課題は解決できる前提で開発が進められいるといい、今はまだまだスタートアップの段階にすぎないブロックチェーンの業界が、規制の遵守や、第三者による監査などにきちんと適合しながらどのように進化していくのかが非常に楽しみです。

また、こういった問題に対しても、パネリストをはじめとする現場の方たちは、現状に対して決して悲観的ではなく、このようなディスカッションができる人や場をもっと増やしていくための教育も必要であるとも語りました。

マスアダプションについて

「ブロックチェーン技術のマスアダプションはいつ頃になると予想するか」という問いに対し、それぞれ「2年〜3年」や「5年ぐらいはかかるかもしれない」という見解を出していましたが、もっとも印象的だった答えは、サイファーパンクのMark Fernandes氏による、「それを受け入れるのは人間じゃないかもしれない」というものでした。

Mark氏は、「ブロックチェーン技術が一般的になるとき、それは人間ではなく、機械が利用するものになるかもしれない」とし、「これからはマシン経済になっていくと思う」という独自の見解を述べました。

また、Swissborg Japan CEOの谷上氏は、「マスアダプションに向けての最大の垣根は規制であり、日本の金融庁をはじめ各国の当局がいまだ正しい知識がない状態においては、我々のような現場の人間が積極的にロビー活動をしていく必要もある」と語りました。

 

全体を通して、非常に内容の濃いディスカッションとなっており、パネリスト一人一人がいかにこの業界をきちんと作り上げていくかということに真剣に取り組んでいることが伝わってくるイベントでした。

Swissborgが主宰する、Tokyo Crypto and Blockchain Allianceでは今後も様々なMeet Upを開催していくようです。

ご興味のある方は、上記リンク先にてチェックしてみてはいかがでしょうか。

編集者:Ayako & Rie