【レポート】Blockchain Unchained Vol.2:INVESTING

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2018年7月25日、東京銀座のWeWorkにて、『Blockchain Unchained Vol. 2: INVESTING』が行われた。
本イベントは、クリプト・ウェルス・マネージメント・プラットフォームの提供を目指すSwissborgの主催で、東京では2度目の開催となる。(前回のレポートはこちら
今回もブロックチェーンを用いた様々なプロジェクトの紹介のほか、VechainTezosの関係者によるディスカッション、そして、このイベントのテーマの1つでもある「Edutainment(Education×Entertainment)」を盛り込んだゲームなどが行われた。

マーケットの現状と問題点について

まず、Swissborgの仮想通貨アナリストから「ミレニアルと仮想通貨」として、マーケットのトレンドや予測などが語られた。

現状、コミュニティレベルで行われているプロジェクトのほとんどは閉鎖的なグループで行われていることが多いため、もっと広く情報を拡散すべきであるとしたうえで、群れで活動することによって情報を伝播させ、生物の営みを続けているBumble Bee(ミツバチ)を例に、「ネットワークの拡散力」の重要性や、Swarm Intelligence(SI / 群知能)の必要性にも言及した。

また、これからのユーザーはミレニアル世代であり、プロジェクトの成功のためには、彼らのニーズである「デジタル化されていて、かつシンプルで、カスタム化されていること」を満たす必要があるという。

具体的な成功モデルとしては、「リアルタイムで同期が可能であること」や、「ゲーム化されていること(インセンティブが発生すること)」などを挙げた。

各プロジェクトによるプレゼンテーション

次に、ブロックチェーン技術を用いたプロジェクトを掲げるスタートアップ企業3社からプレゼンテーションが行われた。

Helix Orange

登壇したのは、CEOであるOliver Naegele氏。プロジェクトの目的や、今後の展望について語った。
Helix Orangeは、投資家とICOプロジェクト企業向けの、ブロックチェーン技術を用いたICOプラットフォームの提供を目指している。

Helix Orange CEO Oliver Naegele氏

まず、投資家へデジタルIDを付与し、それに紐づけたデータを、セキュリティレベルの高いブロックチェーン技術で保護。その情報をもとに、KYCやAMLのチェックを行う。
その後、ICOプロジェクトと、前述のチェックを通過した投資家を、Helix Orange上でマッチングさせることが可能となる。
投資家のKYCやAMLのチェックは登録時の1回のみで、その後はどのICOに参加する場合でも不要となる。

このプラットフォームを利用することで、ユーザー自身がデータやトークンのコントロール、管理を行うことができ、ICO参加までの手順をスマート化することができる。

また、参加者から他のICOプラットフォームとの差別化について質問が上がると、プライバシー保護に厳しいEU発(ドイツ)のプロジェクトであることを強調した上で、当然、GDPR(EU一般データ保護規則)や各種コンプライアンスを遵守している点だと説明した。

現在はプレセール中であり、Telegramのコミュニティは70,000人ほど。
ICOの数が増え続ける今日、投資家とICOを正しく安全に繋ぐHelix Orangeは、今後も注目度の高いプロジェクトと言えるかもしれない。

MyToken

続いて紹介されたのは、仮想通貨アプリケーションであるMyToken
登壇したのは、Head of MarketingのSara Zhu氏。

MyToken  Head of Marketing  Sara Zhu氏

MyTokenは、既にスマートフォンアプリとしてもリリースされており、中国では120万人程のユーザーが利用しているという人気のツールだ。

アプリ内では、400以上の取引所のデータの閲覧ができ、プロジェクトの内容や仮想通貨についてのニュースなどをチェックすることも可能。
加えて、自身がどの通貨にどれほど投資をしているのかをデータとして見ることができるため、ポートフォリオ管理ツールとしても利用できる。

今後は、ターゲット広告やICOプラットフォームとしての機能を持ったシステムを構築し、その中で独自のトークンであるMTを流通させ、トークンの価値を高めていくという。

既に非常に多くのユーザーが利用しており、特に仮想通貨先進国である中国での人気が高いMyToken。
今後の展開にも注目したい。

FENIX

最後にプレゼンテーションを行ったのは、FENIXのFounderであるRichard Lee氏。

FENIX Founder Richard Lee氏

FENIXは、現在の古い音楽業界の仕組みを変え、ミュージシャンに対して新たな収益化方法を提供する、Qtumベースのプラットフォームを構築している。

Richard氏は、世界中でデジタル化が進み、音楽鑑賞の主流はCDからストリーミングに移り変わったにもかかわらず、音楽業界の仕組みは80年前から変わらないと語る。
実際にストリーミングによってアーティストがもらえる金額は平均で32.5セント程度で、生計を立てていくことが出来ないのが現実だ。

それに対しFENIXでは、アーティストが自身の楽曲に自由に価格を設定することが可能で、どの国で何人のユーザーが自分たちの音楽を再生したのか等の記録はブロックチェーン上に残るようになっているため、世界に向けたマーケティングに生かすこともできる。

また、このプラットフォーム内では楽曲だけではなく、グッズやライブ情報、SNSのアカウントなどを紐づけることができ、ファンは様々なSNSやサイトを閲覧せずとも、好きなアーティストに関する情報をすべて確認することが可能だ。

現在は、実際に一部のアーティストに協力してもらいテストを行っているとのことで、今後の実用化に向けてさらに改善を行うという。
世界中でこのプラットフォームが利用されれば、アーティストの収益確保はもちろん、ファンにとっても正しくスムーズに応援ができる媒体として活用されていくのではないのだろうか。

パネリストによるディスカッション

ここでは、ブロックチェーン技術を用いたプロジェクトの関係者のほか、ベンチャーキャピタル投資家も踏まえて、ICOについてのディスカッションが行われた。

現在のICOと将来のICOについて

近年増加し続けるICOだが、ここ3年ほどで市場が落ち着き、投資家も企業側もICOに対して現実的になってきたという。

業界が変化した理由としてはやはり、各国の仮想通貨・ICOへの規制が始まったことだ。
特にアメリカや中国など市場の大きな国の規制による影響が大きい。

しかし、パネリストのほとんどは、こういった規制をきっかけに、改善されたエコシステムのもとでICOが発展していくのでは、という見解を述べた。
また、より良いICOが増えることで、ブロックチェーン技術の発展・普及がさらに加速していくという意見もあった。

ICOへ投資する際のアドバイス

多くの投資家がICOへ関心を示す一方で、投資することへ不安を感じている人へのアドバイスはあるか、という問いかけに対し、全てのパネリストが、「プロジェクトの内容と参加しているメンバーについて、しっかりと調べて理解することである」と述べた。

中でも、TezosのSimon Barducci氏は「ブロックチェーンはネットワークであり、その中で価値が移転することが重要である」と述べたうえで、「そのプロジェクトに本当にブロックチェーンの技術が必要であるかを確認してほしい」と語った。

また、「今後もICOの業界は広がり、流れは加速していく。その中で、投資家自身がいかに規制と情報を活用して自分の資産を守っていくかが重要である」と述べ、ディスカッションを締めくくった。

規制が進む現在も、資金の調達だけを目的としたプロジェクトは多く存在しているという。
実際にプロジェクトを運営している企業の関係者の視点で語られたアドバイスへ、参加者たちは熱心に耳を傾けていた。

前回のイベントに引き続き、今回も多くのプロジェクトや個人投資家などが参加しており、終始会場は賑わっていた。

Swissborgが主宰するTokyo Crypto and Blockchain Allianceでは、今後も多くのイベントを開催する予定だという。
興味がある方は、下記リンクからぜひ確認し、参加してみてはいかがだろうか。
Tokyo Crypto and Blockchain Alliance

取材・編集:Ayako & Rie