【プロジェクトインタビュー】オーブス共同創設者ウリエル・ペレッド氏

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9月13日都内某所にて、9月15日・16日に東京・大阪でmeetupを開催するOrbs(オーブス)共同創設者ウリエル・ペレッド氏へのインタビューを行いました。

インタビューでは、ブロックチェーンに関わるようになったきっかけや今後の事業展開について話を聞いた。
 

ブロックチェーンメディア(以下、BCM):ウリエルさんの経歴から、どういったきっかけでブロックチェーンに関わるようになったのか、また現在行っている事業についても教えてください。
ウリエル・ペレッド氏(以下、ウリエル氏):私はテクニオン・イスラエル工科大学で技術を学んでいました。卒業後は、ビジュアリードという会社を創業し、VR・AR、ディープラーニングの分野で仕事をしていましたが、その会社をアリババに売却し、その後、同社のイスラエルR&Dセンターとして成長することになりました。売却後に何をしようかと考えていた時に、ブロックチェーンに出会いました。
私の弟(ダニエル・ぺレッド氏)が、2013年からブロックチェーンのマーケットで投資をしており、彼に「学んでみたら?」と言われたのがきっかけでした。ブロックチェーンを学び始めて、凄く面白いと感じ、これにより素晴らしいエコシステム・社会を作ることができ、次のチャレンジとしてブロックチェーンが良いのではないかと考えました。
ブロックチェーンにはいくつかのレイヤーがあります。まず技術があり、その上にプロダクトレイヤーがあり、その上にサービスが乗っかります。Orbsは、この中のミドルレイヤーの部分を構築していますが、インターネットが発展したように、ブロックチェーンも発展していくのではないかと考えて、事業を行っています。会社としては、私と弟のダニエル氏と技術者のタル氏の3人で会社を設立して、技術・コンサル・投資の部門を行っています。

BCM:これまでの経験を通じて、ブロックチェーンと相性が良いのはどのような業界だと考えていますか?
ウリエル氏:1つ目に、IoT(Internet of Things)は面白いと感じています。機械一つ一つが自動的にコミュニケーションができるというのがIoTのマーケットで、その中でブロックチェーンによりコミュニケーション+決済ができるようになると思います。
2つ目はフィンテックの業界でしょう。既存のVISAやMasterCardなどは手数料が高く不便な面があります。ブロックチェーンによって、このシステムを新しく作り変えることができます。
3つ目は、あらゆる物をトークン化することです。例えば、不動産をパーツに分けてデジタルアセット化することも出来ますし、今までは価値がなかったものが価値を生むようになるかもしれません。

BCM:3つの分野を挙げていただきましたが、Orbsはどのような市場で使われていくことを目指しているでしょうか?
ウリエル氏:特定の市場を決めているわけではありません。例えば、クラウドサービスのAWSのように、私たちはブロックチェーンのミドルレイヤーでNo.1を目指しています。AWSのDecentralize(ディセントラライズ)版のような感じで、どこの会社も繋ぐことができるものを目指しています。ミドルレイヤーは、生産性を上げるためのレイヤーで、スピード・取引量・安全性が確保されるものです。

BCM:ありがとうございます。提携を考えるパートナーとして、注目している業界はありますか?
ウリエル氏:様々な分野の人と話をすることが必要と考えていますので、最初に出会った人とパートナーシップを組もう、とはなりません。
では、どういった分野かというと幅広い分野であることが重要だと思っています。
例えば、韓国だと「カカオトーク」との提携が決定していますが、カカオはメッセージングのアプリを持っていたり、あとはミュージック・銀行機能など非常に幅広い事業領域を持っており、その点に興味を持って提携をしました。

インタビューに応じてくださる ウリエル・ペレッド氏

BCM:現在、韓国にも拠点があるかと思いますが、Orbsのプラットフォームを利用している企業の中でも、韓国の盛り上がりは大きいのでしょうか?また、これから日本への進出の予定はありますか?
ウリエル氏:今オフィスとしてはイスラエルを中心とし、その他にシンガポール・韓国・サンフランシスコに支店を置いています。
その中でも、事業として一番注目しているのは韓国です。たくさんのリソースを投入しています。その次に注目しているのは日本です。
日本では、韓国同様のモデルで進めていくことで、多くの分野を持った事業との提携が可能だと考えています。

BCM:現在の暗号通貨市場では、多くのトークンの価格が下落していますが、この価格の下落がブロックチェーン技術を拡大させるうえで、どの様な影響があると思いますか?
ウリエル氏:現在の価格の下落は良いことだと思います。
今までは価格が大きく上がることによって、市場が大きく開きましたし、多くの企業の資金調達を助けました。
しかし、この下落でバブルがはじけたように、9割以上の企業は潰れていくでしょう。
良い会社と悪い会社が選りすぐりされていく時期なのではないかと思います。そういった意味で、市場としては良い流れだと考えています。

BCM:Orbsを通して、最終的にどういった社会を作っていきたいと考えているのか教えてください。
ウリエル氏:資本主義で作られたFacebookやGoogleは、中央集権化することでとても大きな力を持ちました。
ブロックチェーンはその一点集中してしまっている力を平準化し、バランスをとる役割を果たすと考えています。
今後、資本主義から民主主義へ移行していく動きを生んでいくのではないかと思います。

BCM:Orbsのグループ企業であるヘクサグループについても聞かせてください。ヘクサグループには投資部門・コンサル部門・技術部門があると思いますが、投資部門ではどういった基準で投資する企業を決定しているのでしょうか。
ウリエル氏:基準としては3つあります。1つ目は、Orbsのプラットフォームをベースとして使ってもらえるかどうかということ。2つ目は投資リターンがあるか。そして最も重要なのは、その案件がブロックチェーン全体のインフラストラクチャーの底上げになるかどうかです。
例えば、DX.Exchange(DXエクスチェンジ)はセキュリティトークンの売買が出来るところに魅力を感じています。
また、chainkey(チェーンキー)というのは、銀行にデジタルアセットの管理をする管理システムとセキュリティシステムを持っています。
こういった新しいマーケットを広げる底力になるような案件へ投資を行っています。

BCM:今回、日本でミートアップをする目的についても教えてください。
ウリエル氏:今までコミュニケーションが取れていなかった面があり、情報のアップデートを行うことが一番の目的です。やはり、対面でお会いし、オーブスの状況を知っていただくことがいちばんの目的だと考えています。
さらに、ビジネスの基盤を広げていきたいと考えており、その基盤作りも目的の一つです。

BCM:ありがとうございます。最後に日本のOrbsファンとBlockchain Mediaの読者へのメッセージをいただけますでしょうか。
ウリエル氏:2017年・2018年始めのマーケットは、とりあえずICOへ投資をすれば儲かる時代でしたが、今後そういったマーケットは、もう無いでしょう。
これから投資を行う人は、企業がしっかりと事業を動かしているのか、進捗やアップデートが行われるのか否か、そういったところをしっかり見るべきです。
判断を急いだり、ただマーケティングだけに惹かれて投資をすべき時期ではありません。じっくり時間をかけて理解を深めることが重要になります。

 
 
最後に、15日・16日に行われるmeetupについて、多くの人と会えることを楽しみにしている、とウリエル氏は笑顔で語り、インタビューを締めくくった。

今回、日本で初めてmeetupを開催するOrbsだが、インタビューの前後に日本のICOやブロックチェーンのトレンドニュースについて質問があったり、ウリエル氏のインタビューの内容からも日本への関心の高さが伺えた。
Orbsへのインタビューは、JBC2018に続き2回目となるが、前回以上にプロジェクトとしての魅力や業界への思いを熱く語ってくれた。
また、取材中は終始和やかな雰囲気で進み、ウリエル氏の人柄の良さと、Orbsの魅力がより一層見えたインタビューとなった。

Orbsのmeetup詳細

9月15日~16日に開催されるOrbsのmeetupの情報は、以下からご覧いただけます。
https://blockchainmedia.asia/post-234/

 

取材・編集:Hiro & Rie