【レポート】経済学者 野口悠紀雄氏特別講演 ブロックチェーンで変わる未来

こちらを友だち追加しておくと
リアルタイムで記事更新情報を
受け取ることができます。

友だち追加

9月13日、東京のグローバルビジネスハブ東京にてFLOCブロックチェーン大学校主催のイベント「ブロックチェーンで変わる未来」が開催された。

イベントでは、経済学者であり『ブロックチェーン革命』の著者でもある野口 悠紀雄氏がゲストとして招かれ、ブロックチェーンについての講義を行った。

また、後半にはFLOCブロックチェーン大学校によるプレゼンテーションが行われた。

野口 悠紀雄氏によるブロックチェーンについての講義

ブロックチェーンとは「分散型台帳技術」のことであり、従来の銀行のような中央集権型の管理とは異なった性質をもつ。
その特徴は、大きく分けて3つある。

1.コストが安い
2.セキュリティ性が高い
3.情報の書き換えが不可能である

野口氏は、中央集権型の管理について「そもそも管理者が悪い人ではないという前提で成り立っている」と語ったうえで「比べてブロックチェーンは、仕組みによって書き換えを不可能としている為、管理している人を信用する必要はない」と両者の違いを説明した。

また「ブロックチェーンについて説明される際には、不特定多数の管理者が存在するために改ざんが不可能といわれがちだが、仕組みそのものの性質であることを理解してほしい」と述べた。

ブロックチェーンの仕組み

ブロックチェーンの各ブロックには『複数のトランザクション』『前のブロックのハッシュ値』『ブロックを確定するために必要となる値=ナンス値』などが含まれている。このナンス値は使い切りのランダムな数値であり、毎回マイニングと呼ばれる膨大な計算作業により見つけ出す必要がある。
マイニングにより探し出されたナンス値を含むブロックデータにハッシュ関数をかけると、次のブロック生成に必要となるハッシュ値が生み出されるという仕組みだ。

仮に過去のデータを書き換える場合には、これまでのブロックのハッシュ値を全て計算し直す必要があることから、ブロックチェーンの改ざんは、実質不可能であると言われている。

この仕組みによって、多くの分野で問題とされていたビザンチン将軍問題の解決が可能になるのではないかといわれている。
つまり、企業間のやり取りとしても相手の組織を信用する必要がなくなり、Trustless社会の実現が可能となる。

野口氏は「今まで信用によって有利性を得ていた巨大組織の衰退と、独立自営業者の増加が予測される」と自身の見解を語った。

ブロックチェーンについて語る野口氏

ブロックチェーンの応用

ブロックチェーンの誕生によって、金融の業界に様々な影響が出ているという。
野口氏は「暗号通貨はもちろん、資金調達としてICOという方法が流行し、保険は保険会社を挟まず、P2Pの形での契約が可能となり、また、証券はブロックチェーンを利用することで、清算と決済が高速化されるだろう」と述べた。

そして、ブロックチェーンが及ぼす影響は金融だけではない。
例として「シェアリングエコノミー」「IoT」「文章の存在証明」「予測市場」などをあげ、それぞれについて下記のような見解を述べた。

シェアリングエコノミー
現在のシェアリングエコノミーは、まだ中央集権の形であるが、将来的には例えば民泊サービスの場合であれば、予約から鍵の受け渡しまで全て自動化される。

IoT
家電製品への採用が主流となっている為、非常にコストのかかる分野になってしまっている。また、全てのモノをインターネットにつなげる必要は無い。それよりもセキュリティを向上させるべきである。

文書の存在証明
『過去のある時間にある文書が存在していた』という証明。この証明が可能となれば、特許への活用や、公文書の改ざんを防ぐことが出来る。実際にエストニア政府ではすでに採用されている。

予測市場
現状は、胴元が不正を起こすなど、信用性の低い市場である。しかし、ブロックチェーンを利用することで、仲介者が不要で完全自動化された透明なシステムとなる。

分散自立型社会

ブロックチェーンが及ぼす影響について語ったのち、野口氏は「今後ブロックチェーンが普及していくことで、世の中の仕事はすべて自動化されていくだろう」と述べた。

また、現在はAIが人間の仕事を奪っていくことが懸念されているが、AIが担うのは労働者の仕事であり、管理者や経営者としての仕事を担うのがブロックチェーンであるそうだ。
この2つが組み合わさり、これからは、全てのものが自動化されていく動きが進んでいくという。

しかし野口氏は、数多くの職業の中で、人間にしか出来ない価値のあがる仕事が必ず残されていくだろうと見解を述べたうえで、「その価値の上がる仕事をいち早く見出すことが重要である」と語り、講演を締めくくった。

FLOCブロックチェーン大学校によるプレゼンテーション

後半では、FLOCブロックチェーン大学校についての事業説明と、カリキュラムについてのプレゼンテーションが行われた。

FLOCブロックチェーン大学校は、ファイナンシャルアカデミーのグループ企業が主催しており、ブロックチェーンを専門的に学ぶことが出来るスクールである。

また校長は、ビットコインの標準を決める「BIP」作成にも参加し、ビットバンク株式会社のチーフビットコインオフィサーでもあるアメリカ人のビットコイン研究者であるジョナサン・アンダーウッド氏が務めている。

スクールのミッションとして、スキルアップとキャリアアップのコミットメントを掲げており、最短3ヶ月程度で、実践的なブロックチェーン技術の取得が可能だそうだ。

 
今回のイベントは、ブロックチェーンの第一人者ともいえる野口氏の講演会ということもあり、平日にもかかわらず多くの人が参加していた。
また、FLOCブロックチェーン大学校によるプレゼンテーションでは、多くの参加者がカリキュラムの内容に興味を示し、熱心に耳を傾けており、世間のブロックチェーンへの関心の高さが垣間見えるイベントだった。

FLOCブロックチェーン大学校では、今後も多くのイベントを主催していく予定だという。
興味のある方はぜひ下記ページより情報を確認してみてはいかがだろうか。

FLOCブロックチェーン大学校 公式ホームページ:https://floc.jp/

 

取材・編集:RIE