【レポート】PumaPayミートアップ

こちらを友だち追加しておくと
暗号通貨関連のイベント情報や
リアルタイムでの記事更新情報を
受け取ることができます。
友だち追加 

12月16日(日)、A-PLACE新橋駅前にて、PumaPay(プーマペイ)による日本国内初のミートアップが行われた。
本イベントでは、PumaPayのCEOおよび日本代表よりプロジェクトの最新情報や今後の展開についての説明が行われた。

PumaPayとは

既存のサービスでは、暗号通貨による支払い時にQRコードを読み取ったり、アドレスをコピーアンドペーストすることで支払いを行うが、クレジットカード決済に用いられているような高度な決済モデルで使うことが現状では難しい。
そこで、PumaPayは決済プロセスを現代的なものにすることで、暗号通貨市場を反映させていくことを目指す。

例としては、受け取り側が支払い側に請求を行う請求モデルや、毎月引き落としを行うサブスクリプション(定期購読)モデルでの暗号通貨決済をPumaPayは可能にしようとしている。

PumaPayのプロジェクトの狙い

はじめに、PumaPay日本代表を務める合同会社ニンジャテックCEO片山森雄氏が、「暗号通貨とは何か」について解説し、そこからPumaPayのプロジェクトの目的へと話を展開した。

片山森雄氏

片山氏は、お金の歴史を紐解きながら「なぜお金が生まれてきたのか」や「現代社会のデジタル化」について丁寧な解説を行った。同氏は、お金について

お金は信用でできています。通貨は国への信用で成り立っており、電子マネーは企業への信用によって成り立っています。
と語った。

また片山氏は、「①現金」「②クレジットカード」「③銀行振込」「④暗号通貨」による4つの支払い方法を比較した。
それぞれの欠点として、「①現金」に関しては紛失のリスクや数えるのが面倒といったことを挙げ、また「②クレジットカード」に関しては、審査時間、手数料、不正利用のリスクといった内容を挙げた。さらに「③銀行振込」の欠点としては、振込の反映に時間がかかるといった問題点を挙げた。
それに対して「④暗号通貨」は、世界中どこでも使うことができ、さらに支払い側と受け取り側が離れたところにいても簡単に支払いを行うことが可能で、すぐに送金が反映される。

一方で、暗号通貨の欠点として、ボラティリティの大きさを挙げた。この欠点に関して同氏は

ゴールドの市場は860兆円、株式の市場は8,000兆円であるのに対して、暗号通貨の市場はまだ12兆円に過ぎません。つまり暗号通貨市場はまだ小さく、少しのお金が入るだけでも市場が大きく動くために、ボラティリティが大きくなっています。
と語った。

また、暗号通貨による決済は簡単にできるものの、日常生活における支払いへの対応ができていない面があり、

暗号通貨を日常世界で使いやすくするためのプロジェクトとしてPumaPayがあります。
と語り、解説を締めくくった。

PumaPayは暗号通貨界のペイパル

続いて、PumaPayのCEOであるヨアヴ・ドロール氏が登壇した。

ヨアヴ・ドロール氏

まず最初に、ヨアヴ氏は

本日会場に来られた方の中には、PumaPayに投資をしていただいた方が多くいると思います。まず、そのことに感謝の言葉を申し上げたいです。
と語り、PumaPayの現状と今後の展開についての説明を始めた。

PumaPayは暗号通貨におけるペイパルのようなサービスを目指しており、クレジットカードを始めとした既存の決済サービスの良い点とブロックチェーンの良い点を組み合わせることでそれを実現しようと考えている。

現段階でのPumaPayの状況に関しては、ヨアヴ氏は
 

第一弾となる定期継続支払いは既に導入が完了しています。またPumaPayのウォレットはiOS、Androidで共にリリースをしており、ERC20トークン全てに対応しています。
と述べた。

また、次のバージョンアップのリリースは来週対応予定とのことで、このアップデートによりPumaPayのウォレット内でビットコインの保有が可能になるとのことだ。さらに、ビジネスコンソールが導入され、法人の方がウィザードのようなものを使って、簡単にPumaPayを導入することも可能になるとのことである。

「あらゆるアドオン機能を追加していく」

請求モデルや定期購読モデルの他に、電気・ガス・水道代のような月ごとで金額が変動するユーティリティ費用の支払いでの使用も、実現しようとしているとのことだ。
他にもあらゆるアドオン機能を追加する事を検討しており、割り勘サービス、スプリットペイメントを可能にしようと考えているとヨアヴ氏は述べた。スプリットペイメントが実現されれば、例えばアフィリエイトシステムにおいて、アフィリエイターは自動的に報酬を得ることができ、運営側を信用する必要がなくなるという。

今後の拡大戦略

PumaPayが発行するPMAトークンは、現在5箇所の取引所で取引可能であるが、他の取引所への上場を近々発表するかもしれないとヨアヴ氏は述べた。

また、100を超えるブランドが、PumaPayのプロトコル公開後に、決済システムを導入予定とのことだ。
有名な企業では、HTMLやCSSの知識がなくても誰でも簡単にWEBサイトを作ることができるWiX.com、WeWorkのようなコワーキングスペースを提供するrent24での導入が決まっているとのことだ。rent24はヨーロッパではWeWorkよりも大きなシェアを占めており、入居者は賃料をPumaPayの決済システムを用いて支払うことができるとのことだ。

また、多くのWEBサイト運営企業はチャージバックのリスクがあるとのことで、ヨアヴ氏は

WEBサイト上のコンテンツに対する支払いに使われる現状のクレジットカード決済では、運営企業は手数料の問題以外にチャージバックの問題に悩まされています。チャージバックとは、クレジットカード会員が不正利用を理由として、利用代金の支払いをキャンセルすることです。特にアダルト業界はこの問題に悩まされており、PumaPayはアダルト業界において大きな成功を収めています。なぜなら、ブロックチェーン上に記録されたトランザクションは変更できないためです。
と語った。

今後のサービス戦略としては、以下のような項目を挙げた。

  • PumaPayが提供するAPIを利用することで、PumaPayプロトコルを他のウォレットでも導入可能
  • PumaPayウォレット内でのクレジットカードによる暗号通貨購入
  • ビットコイン、リップル、エイダコインなどの、ERC20以外の暗号通貨への対応
  • 毎分ごとでの支払いを可能にするPPV(ペイ・パー・ビュー)への対応
  • 位置情報をもとにしたPumaPay決済対応店舗の検索

 
イベントでは、ヨアヴ氏は彼らが描く決済システムの未来像についても熱く語り、質疑応答では、参加者からボラティリティ問題に対する解決策、PMAを所有することのメリット、ウォレットにおけるKYC機能などに関する質問が投げかけられ、非常にアクティブな質疑応答が行われた。
さらに、イベントの後半には、PumaPayウォレットのデモンストレーションも披露された。

CEOヨアヴ・ドロール氏へインタビュー

ヨアヴ氏の登壇後に、BlockchainMediaは同氏へのインタビューを行った。
インタビューでは、決済システムに関する機能などについて話を聞いた。

インタビューに応じてくださったヨアヴ・ドロール氏

ブロックチェーンメディア(以下、BCM):本日のイベントの中で、ウォレット内で暗号通貨の交換が可能になると述べておりましたが、その際のレートはどのように決定するのでしょうか?
ヨアヴ氏:価格の決定は全て、changellyというサービスを用いています。changellyは多くのERC20トークンにも対応しています。

BCM:サブスクリプションモデルでの使用に関しても質問をさせてください。例えば、1年の間毎月支払いをする必要があるサブスクリプションモデルでPumaPayを用いる場合、契約時においてウォレット内にはどれだけのお金を入れておけば良いのでしょうか?また、契約期間内にウォレット内のお金が足りなくなった場合には、どうなるでしょうか?
ヨアヴ氏:その場合、契約段階においては1ヶ月分の支払い分のお金があれば十分です。また、契約の途中でウォレット内のお金が足りなくなった場合には、既存のクレジットカードを用いた決済ではお金が足りない旨のメールが契約者に送られたり、契約がその段階で切れるといったケースがあると思います。PumaPayの場合も同様であり、その詳細部分はビジネスサイドが決めることになります。

BCM:暗号通貨決済はまだ導入ハードルが高い国が多いと思いますが、それを打開するためには今後業界でどのような動きが必要だと思うでしょうか?
ヨアヴ氏:一つ目は市場の教育だと考えています。そして二つ目は使いやすさです。使いやすさは私たちが取り組んでいることであり、ビジネス側もユーザー側も使いやすく、かつ導入しやすいものを私たちは作っています。つまり、ユーザーフレンドリーかつビジネスフレンドリーで、取り入れやすいものを作ろうと思っています。

BCM:本日はインタビューに応えて頂き、ありがとうございました。

今回のイベントのために、キプロスから来日したヨアヴ氏。イベントではPumaPayについて熱心に語り、今後の展望についても詳しく語られた。
ICOでは世界第7位の調達額となったPumaPay。今後、この決済システムがいかに世界に広がっていくかに注目したい。

 

取材・編集:Hiro