【JBC 2019YOKOHAMAレポート】LINE株式会社 室山 真一郎氏

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1月30日・31日の二日間、パシフィコ横浜にて開催されたJAPAN BLOCKCHAIN CONFERENCE -YOKOHAMA Round 2019 –

開催初日である30日にLINE株式会社の室山 真一郎氏によるプレゼンテーションが行われた。

LINEが掲げるミッション

室山氏は、2011年のLINE立ち上げからコンセプトとして行ってきたこととして、下記の3つを挙げた。

・とにかくスマートフォンに特化すること
・LINEのネットワーク内ですべてのコミュニケーションおよびサービスが完結すること
・インフォメーションではなく、エモーションを目指すこと

また、ミッションとして『Closing the distance』というテーマを掲げ、人と人、人と情報、人とサービス、これらの距離を適切に近づけることを目指している。

元々LINEはメッセージのためのプラットフォームとしてスタートしたが、2016年頃からスマートポータル構想を掲げ、それに沿った様々なサービス・アプリを提供することで、ベースにあるコミュニケーションを付加価値とするサービスを作ってきた。

現在LINEのユーザーは世界で1億6,000万人おり、その中で日本ユーザーの割合は50%ほどだという。さらにデイリーアクセスユーザー数は6,600万人で、エンゲージメントがこれだけ高いプラットフォームはない。

LINEはこのプラットフォームを最大限に活用して、フィンテック、そしてブロックチェーンの世界へ挑戦しようとしている

フィンテックへの挑戦

室山氏は

お金というものはとても大切なものであると同時に、脆弱なものだと考えています。
例えば、他人にお金が渡ってしまった際に、それが自身のものであったと証明することは難しく、セキュリティの点からみると非常に脆弱であるといえます。故に確実で安全である事を担保してきました。

もちろんそれは大切なことですが、そこにこだわることで、本来インターネットやテクノロジーの力でもっと早くに出来るはずであった利便性やユーザビリティというものを、享受できていなかったのではないかと思います。

と現状の金融世界についての見解を述べた。

また、フィンテックという言葉がこれだけ取り上げられる時代になっても、ユーザにとってはまだまだ身近なものとはなっていない。
例えば、スマートフォンユーザーの中でインターネットバンキングを利用したことがない人は75%もいるそうだ。つまり、一般ユーザーにとって『銀行とインターネット』というのは遠いものであり、スタートするきっかけが少ないこと、ハードルが高いというイメージがある。
しかし、きっかけがあれば便利なものであると理解して学ぶことができ、広く普及していく。

だからこそLINEが持つユーザー目線、テクノロジーの力、サービスを作る力を生かすことで、そのプラットフォームをLINEが提供することが可能であると室山氏は考えている。

LINE株式会社 室山 真一郎氏

さらに金融の世界では、テクノロジーをツールとして取り込むことで、自分たちの産業のイノベーションを図ろうとする流れが世界規模で起きており、室山氏は「日本もいち早くこの流れに乗ることが重要である。」と述べた。

LINEのトークンエコノミー

次に室山氏は、ブロックチェーンとLINEの考えるトークンエコノミーの構想について語った。
同氏はブロックチェーンを『新しい金融のプロトコル』と表現し、外の世界と金融を繋げ、支えるプロトコルであると述べた。
LINEは、金融と現状存在しているLINE内の様々なアプリケーション・サービスを繋ぐためにブロックチェーンを活用することを考えており、LINKチェーンの構築を目指している。

LINKチェーンとはLINEのメインネットであり、コンソーシアム型のブロックチェーンのネットワークである。このネットワーク上に様々なDappsが置かれ、そのDappsの利用にトークンであるLINKが必要となる。
トークンを介して様々なDappsが繋がることによって、多くのユーザーが参加し、経済圏が拡大していくことを目指している。

QAサイトである『wizball』というLINKを使えるサービスが既にローンチされており、今後は様々な分野での展開を目標としている。

また、このトークンはDapps上での利用の他にも、LINEが運用するBITBOXというシンガポールの取引所で他の仮想通貨と交換することが可能であったり、LINEポイントへの変換も出来る。

最後に室山氏は、LINKについて「LINKを使ったプロジェクトは資金調達を目的としてではなく、LINKによるLINEトークンエコノミーの潤滑油として世に提供され、回っていくことを願いとしている。」と述べ、さらに「ユーザーにとってクリプトの世界が身近となるきっかけとなるよう、より一層、ユーザー目線でのサービス開発に力を入れていきたい。」と語った。

 
日本では多くのユーザーを持つLINEだが、まだまだメッセージアプリとしての印象が強く、今回室山氏が語ったようなサービスの普及は浸透していないのが現状だ。
しかし生活に身近であるLINE上で様々なサービスが展開され、加えて1つのプラットフォーム上で完結されるようなユーザーにとって簡易的なサービスとなれば多くの人が金融とテクノロジーに触れるきっかけとなり、大きく普及していくことだろう。

今後LINEがクリプトとフィンテックを私達の生活にどのように取り込んでいくのか注目したい。

 取材・編集:Rie、Hiro