【レポート】Next X Asiaカンファレンス

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4月12日(金)、キラリトギンザにて、BINARYSTAR株式会社によるNext X Asia(ネクスト エックス アジア)カンファレンスが開催された。

まず、BINARYSTARのアドバイザー・インキュベーションマネージャーを務める赤羽雄二氏が登壇し、このカンファレンスの特徴として「次世代技術への深い理解の追求」「次世代技術間のコラボレーションの追求」「日本とシンガポールでの連携開催によるリージョナルコラボレーションの追求」の3つを挙げた。

イベントでは、クーガー株式会社石黒一明氏、ロビット株式会社新井雅海氏、IBM Blockchain Venturesジュレス・ミラー氏、SBIホールディングス藤本守氏、Facebook Developer Circles大森貴之氏、木更津市役所経済部鈴木昭宣氏が、それぞれが取り組むプロジェクトや取り組みに関する紹介を行った。

イベントの様子

IBM Blockchain Venturesの取り組み

あらゆる分野でブロックチェーンを活用

IBM Blockchain Ventures共同創業者であるジュレス・ミラー氏は、「IBMのブロックチェーンが企業をどう変えるか」というテーマで登壇した。

現在IBMでは、ブロックチェーンプロジェクトが700以上あり、2,000人以上の社員がフルタイムでコミットしているとのことだ。

また、同社は、金融領域だけでなく、あらゆる分野においてブロックチェーンを統合できないかどうかを考えており、まだ実証実験のものが多いものの、最終的には大企業などのエンタープライズにブロックチェーンを使ってもらうことを目指している。ミラー氏は、66%の企業が、ブロックチェーンのビジネスを進めようとしているとの現状についても紹介した。

「これほどの機会はない」

ミラー氏は、IBM Blockchain Venturesを発足した理由として、現在のブロックチェーンのマーケットを見ていて、これほどの機会はないと感じたことを挙げた。

同社の取り組みとしては、アクセラレータ、スタートアップの政治面などを支援するコンビーニング、投資の3つを挙げた。
また、エンタープライズでブロックチェーンが使われるために必要なことは、トランザクションが多くなっても動くということを示すことだとミラー氏は語り、そのために正しいパートナー企業を選ぶことが重要であると語った。

コロンビア大学との2つのプログラム

同社は、コロンビア大学と2つのプログラムを開始した。そのうちの1つであるローンチプログラムが楽しみなものだとミラー氏は語った。このプログラムでは、アクセラレータを経た企業への教育を目的としており、ここで同社が心掛けているのは「VCの哲学でアクセラレータの本質を極める」ことだと同氏は述べた。

プログラムについて語るジュレス・ミラー氏

プログラムでは、120の企業のデューデリジェンスが行われ、そこから10の企業に絞り込まれたとのことだ。クライアントとして選ばれた企業の分野は、教育、特許、食品など多肢に渡る。

大企業の内部でこれらのアクセラレータを行う上で、「大企業の文化を変えるのは大変なことだが、それを認めて良いチームを作っていくことが重要だ」とミラー氏は述べた。また、大企業であってもスタートアップから学ぶことはたくさんあり、これからもイノベーションを生んで新しいものを生み出し続けたいと今後の意気込みを語った。

SBIホールディングスの取り組み

「イノベーションはベンチャーから」

SBIホールディングスのブロックチェーン推進室長藤本守氏は、同社がどういう企業に投資をしているかを紹介し、競合する会社にも投資しており、有望そうなベンチャーには投資をしていると語った。
また、同社はイノベーションはベンチャーから教わるものだと考えている。

SBIの取り組みについて語る藤本守氏

Cordaの現状

藤本氏はSBI R3 Japanの代表取締役も務めており、R3によるエコシステム構築アプローチについても解説を行った。R3が開発する分散型台帳技術Cordaは、技術検証は去年までで完了しており、今年は、技術を使って何ができるかというアプローチに入っているとのことだ。
さらに、Cordaには既に300社以上が参加し、90種以上のアプリが作られているとのことで、藤本氏は保健分野や広告分野、土地登記などにおけるブロックチェーンの導入事例についても紹介した。

 
イベントでは、「次世代技術間のコラボレーションをどうやって推進・加速すべきか」というテーマによるパネルディスカッションも行われ、質疑応答も活発に行われた。

BINARYSTARは、今後も毎月定期的に同様のイベントを行っていくとのこと。今後のイベントも非常に楽しみだ。

取材・編集:Hiro