「GVCパスポート」を通じて企業の成長を活性化
10月に行われるB20(Business 20)サミットを前に、サウジアラビアは、OECDに対する民間経済界の諮問機関であるBusiness at OECD(BIAC)とともに、企業がGVC(グローバル・バリュー・チェーン)への参加を求めて直面する障壁を減らすことに焦点を当てた、共同の概念的政策提案を開始した。
現在、世界の生産の3分の1は多国籍企業によるものであり、国際貿易と投資の大半はGVC内で行われている。
しかし、COVID-19のパンデミックにより、世界中に張り巡らされたGVCは寸断され、世界経済と世界貿易の脆弱性が露わになった。
GVCの混乱は、人々、資本、商品、サービスの自由な流れを妨げ続け、経済面でマイナスの影響をもたらすだけでなく、社会に深刻な長期的損害を与えることとなる。
今回発表された政策文書は、透明性とトレーサビリティを高めながら、官僚主義の大幅な削減を想定し、企業のより広い市場へのアクセスを促進するシステムを目指して取り組むようG20(Group of 20)に求める内容となっている。
「GVCパスポート」は、ブロックチェーンや人工知能などのテクノロジーを活用することで、国境を越えてシームレスに運用する機能を企業に提供するものだ。サービスと商品へのアクセスを増やし、透明性を高め、脱税を減らし、データ収集を拡大し、デジタルツールとテクノロジーのより迅速な採用を可能にする。
このように、「GVCパスポート」は、グローバルビジネスコミュニティ全体に利益をもたらす可能性がある。
特に、中小企業を高度にサポートできることも強調されている。
中小企業は世界中の企業の90%と雇用の50%を占めており、今回のパンデミックによって大きな影響を受けている。この政策イニシアチブは、中小企業が運用コストを削減し、透明性と幅広い市場へのアクセスを改善するのにも役立つという。
B20とBIACは、G20が「GVCパスポート」のメリットを検討し、その実施を評価することを奨励している。
ビジネス界を代表し、G20に政策提言を行うB20サミットは、10月26日よりサウジアラビアのリヤドにて開催される。
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編集者:Ayako